固形石鹸が人気の理由とは?石鹸の種類や選び方のポイントも紹介

洗顔料やボディウォッシュは液体やペースト、泡で出てくるものなど、さまざまな種類がありますが、昔ながらの固形石鹸も根強い人気を誇っています。本記事では、固形石鹸が人気の理由を紹介します。また、石鹸の選び方も解説するので、ぜひ参考にして自分に合った石鹸を見つけてください。
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固形石鹸が人気の理由
固形石鹸が人気な理由として、以下の4つが挙げられます。
- 肌への刺激・負担が少ないから
- 洗浄力に優れているから
- コスパが良いから
- 環境に優しくエコにつながるから
それぞれ解説していきます。
肌への刺激・負担が少ないから
石鹸は天然油脂とアルカリ成分から作られており、合成界面活性剤や防腐剤など、人工の添加物を含みません。そのため肌への刺激が少なく、敏感肌の人や肌がデリケートな赤ちゃんでも安心して使うことができます。また、固形石鹸はべたつきにくく、洗浄成分を洗い流しやすいので、すすぎ残しや洗いすぎによって肌に負担をかける心配も少ないです。
洗浄力に優れているから
固形石鹸は、液体石鹸よりも純石鹸分が多く含まれているため、洗浄力が高いと言われています。純石鹸分とは、石鹸に含まれる洗浄成分である脂肪酸アルカリ塩のことです。一般的な液体石鹸は純石鹸分が30%程度であるのに対し、固形石鹸は40%~90%と高い割合で配合されています。
コスパが良いから
固形石鹸は洗浄力に優れており、少量でもしっかりと汚れを落とすことができます。そのため、液体石鹸や他の洗剤類と比べて、コストパフォーマンスに優れているといえます。
環境に優しくエコにつながるから
天然素材で作られている石鹸は、排水された後の生分解性が高く、素早く水と二酸化炭素に分解されます。分解された水に含まれる石鹸カスは海や川の微生物にエサとなるため、環境に負担をかけません。また、固形石鹸は簡易包装のものが多く、ゴミの量を抑えられるので、エコにもつながるといえます。
石鹸の種類
固形石鹸は以下3つの種類に分けられます。石鹸を選ぶ際は、まずは種類ごとの大まかな違いをチェックしましょう。
- 純石鹸
- 化粧石鹸
- 薬用石鹸
それぞれ解説していきます。
純石鹸
純石鹸とは、純石鹸分が98%以上の石鹸のことです。合成界面活性剤を含まず、添加物による刺激が少ないので、敏感肌の人や子どもと一緒に使いたい場合におすすめです。
化粧石鹸
化粧石鹸は、薬機法で化粧品に分類される石鹸で、JIS(日本工業規格)では、純石鹸分が93%以上であるものと定められています。石鹸素地のほかに、香料や保湿成分などが含まれることがあります。
薬用石鹸
薬用石鹸は、「医薬部外品」に該当する石鹸です。医薬部外品は、医薬品と化粧品の中間的役割を果たす分類で、高価や効能が認められた有効成分が配合されていることが特徴です。皮膚の清浄、ニキビ・肌荒れなどの「予防」の範囲に収まる効果や効能をうたうことができます。
固形石鹸の選び方

固形石鹸は非常に多くの種類があります。その中から自身に合ったものを選ぶポイントは、以下の4つです。
- 肌質に合わせて選ぶ
- 製造方法で選ぶ
- 製法で選ぶ
- 香りで選ぶ
それぞれ解説していきます。
肌質に合わせて選ぶ
固形石鹸を選ぶ際、基準となるのは「自分の肌質に合っているか」です。肌質ごとに適した石鹸の種類や特徴について解説していきます。
- 脂性肌
- 乾燥肌
- 混合肌
脂性肌
皮脂が分泌されやすい肌は、皮脂汚れや毛穴の詰まりが起きやすい傾向にあります。純石鹸やオイリー肌用の石鹸など、洗浄力の強いタイプはスッキリした洗い上がりでおすすめです。ただし、ニキビができている場合は肌のバリア機能が低下しているため、洗浄力の強い石鹸は刺激が強すぎるケースがあります。牛脂由来の肌に優しい石鹸や、殺菌・抗炎症成分を含む薬用石鹸を使うと良いでしょう。
乾燥肌
乾燥肌の人は、以下の肌に潤いを与える成分が配合されている石鹸がおすすめです。
- グリセリン
- ソルビトール
- ハチミツ
- マルチトール
また、肌がデリケートな時は、固形石鹸に含まれるラウリン酸に刺激を感じることがあるため、合わせて確認しておくと良いでしょう。
混合肌
混合肌とは、Tゾーンは皮脂量が多い一方で、頬は乾燥してかさついている、顔の部位によって状態が異なる肌を指します。部分的なテカリは、乾燥から肌を守ろうとして皮脂が過剰に分泌されていることが考えられます。そのため混合肌の人は、余分な皮脂はしっかり洗いつつも、潤いを与えるセラミドが配合された石鹸がおすすめです。
製造方法で選ぶ
固形石鹸の製造方法は、主に以下の2種類です。製造方法によって配合される成分や使用感が異なるので、自分が求める成分を含むタイプを選びましょう。
- 枠練り
- 機械練り
枠練り
枠練りは、石鹸素地を溶かして枠に流し込み、冷やして固める製造方法です。製造に手間と時間がかかるため、高価になりやすい傾向があります。透明石鹸はこの製造方法で作られているものがほとんどです。枠練り石鹸は、石鹸素地の割合が40%~70%で、石鹸素地以外に保湿成分などを30%~60%と多く配合できる点メリットです。
機械練り
機械練りは、石鹼素地をチップ・ペレット状にしてロールで練り混ぜ、押し固めたものをカットする成型方法です。石鹸成分が多く、洗浄力が強いことが特徴です。また、比較的安価であることもメリットとして挙げられます。一方で、溶け崩れやすく成分のバリエーションが少ないことがデメリットです。
製法で選ぶ
石鹸素地の製法は以下の2つがあり、原料が異なります。石鹸を選ぶ際は製法もチェックしましょう。
- 鹸化法
- 中和法
鹸化法
鹸化法とは、釜たき製法とも呼ばれる製法で、製造に1週間程度の時間と手間がかかります。製造の過程で天然のうるおい成分が適度に残るため、肌に優しいことが特徴です。成分表にオリーブ果実油・牛脂・パーム核油などの記載があるものが鹸化法で作られたものです。
鹸化法の手順は以下のとおりです。
- 精製した天然の油脂を釜の中で加熱かく拌しながら、水酸化ナトリウムを加えて鹸化させる
- 完全に鹸化した後、食塩水を加えて石鹸と不純物を分ける
- 1、2の工程を2回繰り返す
中和法
中和法は、原料に脂肪酸を使う製法で、成分表に以下の表記があるものが該当します。
- ラウリン酸
- ミリスチン酸
- パルミチン酸
- ステアリン酸
- オレイン酸
短時間で大量の石鹸を作り出せるメリットがありますが、洗浄後につっぱり感が発生しやすいため、後の製造工程で保湿成分を添加するケースが多くあります。
香りで選ぶ
石鹸は、香料やアロマオイルなどで香り付けされたものがあります。アロマが配合されたものは、香りによってさまざまな効果が期待できます。以下の効能を参考に、自身に合ったものを選びましょう。
ラベンダー |
リラックス効果、抗炎症作用 |
ゼラニウム |
皮脂分泌のバランスを整える、抗菌・抗炎症作用 |
イランイラン |
リラックス効果、肌荒れの改善 |
オレンジ・スウィート |
ニキビ・肌トラブルの改善 |
サンダルウッド |
リラックス効果、不眠改善 |
固形石鹸は肌質や求める特徴に合ったものを選ぼう
石鹸やボディウォッシュには、液体タイプやフォームタイプなど、さまざまな種類があります。その中でも固形石鹸は、肌への負担が少ない、コスパに優れている、環境に優しいといった理由から、根強い人気を誇っています。固形石鹸を選ぶ際は、自身の肌質に合ったものを選びましょう。また、成分や製法をチェックすることも大切です。